今回は、残りのレギュラーカラー4色について解説したいと思います。
●金/GOLDベース
【緑金/OB】
水中が暗い時、また、諸事情により強すぎない反射を求める時、次に挙げる赤金/PBとともに欠かせないカラーだと思います。
金/GOLDベースがあってこそ銀/SILVERベースの存在意義も増し、且つ逆もまた真なりというのが根幹にあるのがEGOIST流の本意。
全体的に暗い色の印象の緑金/OBですが、ズバリ、そのイメージで使い分けていただければ良いと思います。
光量が多く透明度が高い状況で「弱め」に使うにはもってこいの色ですが、意外に視認性が良いのがグリーンバックの特徴だと思っています。
【赤金/PB】
僕の考え方として、赤≒黒というのがあります。
よって、この色は緑金/OBに比べコントラストが出やすい、つまり、明滅度が高めのカラーと言えるでしょう。
トータル的には弱めの意識における使用を前提としていますが、UV反射が強めなパールベリーと相まって、緑金/OBよりは少々強めの色であると捉えるのがEGOIST流。
明滅度が比較的高いので、光量が多い時間帯であっても、濁りが入った状況下ではいちばん目立つ色の一つだと考えます。
なお、EGOISTレギュラーカラーとしての金/GOLDベースカラーの二色は、パールベリー、またはオレンジベリーのどちらが好きかでも選べるように設定したものであります。
まぁ、赤金のオレベリが欲しいと言われても困りますが・・・(^^ゞ
それから、僕は確かに銀ベースの使用頻度が非常に高いのですが、これは僕がメインフィールドにしている九頭龍川水系の底石の色が赤黒いせいだと感じています。
僕はルアーの位置確認をルアーカラーではなく視認性の良いカラーラインやルアーの放つフラッシング光を視界の中に漠然と置くことで認識しているので、それ故に底石の色と対比の強い白っぽい光を放つ銀ベースの使用頻度が高くなっているというわけです。
だから、底石が白っぽくて明るい川だと金ベースが見やすいフラッシングになるんですね。
ただし、
魚に対するフラッシング光の質は、川底の色に大きく影響を受けることはないと考えており、やはりシルバーのほうがゴールドよりも強いアピールになっていると考えています。
しかしそれも、水色や濁りの色によって左右されることは間違いないので、何でもかんでも絶対こうだと決めつけるのは危険であり、自然を相手にするのだから、そこはファジー且つ柔軟に捉えるように気をつけるべきだと思います。
●パール/PEARLベース
【若しゃけ】
一見すると、青銀/PBと同類のカラーに見えるのが若しゃけ。
人によっちゃ「なんで売れないブルーバック系が二色もラインナップされてるの?」という疑問を持たれる場合も(苦笑)
「ブルーバックは(売れにくいから)どちらか一色で良い」的なお言葉が聞こえることもありました・・・(^^ゞ
しかしこの色こそ、EGOIST流において曇天の日には絶対無くてはならないカラーなのです。
若しゃけは、実は全体にパール顔料を吹いてあります。
若しゃけが一般的な「パール○○○」とかっていう仕上げ方の色じゃなく、ホワイト等と混ぜていない純粋なパール顔料のみをアルミの上から吹いているため、パッと見で青銀/PBとの区別がつきにくいことが、青銀/PBと若しゃけが同系カラーと混同される所以のようですね(^^ゞ
バックに吹いたブルーが波長の短い色であるということは青銀/PBの解説時に述べた通り。
よって、光量が少ないけれど紫外線は降り注いでいる・・・そんな曇り空の日に最強のUV反射を期待できる色としてチョイスするのがEGOIST流となるわけです。
直接的反射光、つまりフラッシングで訴えかけるのではなく、紫外線反射で目立たせたいというなら、この色がアピール度最強だと僕は経験則から考えています。
しかし、名前が若しゃけだからといって、鮭稚魚をイミテートして塗った色というわけじゃありません。
もちろんマッチ・ザ・ベイト的意識で使っていただいてもなんら問題はないのですが、「あゆ」等ベイトフィッシュカラーの解説でも述べた通り、必要なカラーを或るモチーフで仕上げたというのがイチバン的を得ているのであります(^^ゞ
●黒/BLACKベース
【いわな】
当たり前のことを言うようですが、「黒っぽい色が効く時」に選んでほしいのがこのカラーです。
いつでもどこでも、ということはないと思いますが、時として劇的に効くことがある黒系カラーは、BOXから外せない色なのです。
注)実際の「いわな」はもっと黒っぽい暗い色です
では、どのような時に効果的なのか・・・
黒っぽい色が効く時といっても、それって人それぞれ感じ方の程度差が大きいので「ズバリこんな時」と明言するのは難しいのですが、僕の経験上から言えば、空は明るいのに谷が暗いシチュエーションや、魚が障害物の陰にの中から外を窺っているような場合などが挙げられます。
要は、明るい環境下に在る影(陰)が狙いどころになる時といった感じでしょうか。
感覚的な話なのですが、単なる日陰ということではなく、ある程度長時間にわたり日が当たっていないという条件付きの日陰といったら理解していただけるでしょうか・・・。
夜道に外灯が一つあるのを想像してみてください。
その外灯の灯りの下から暗闇を覗いても何も見えませんが、暗がりから外灯の光の中にあるものは、こちらの存在を感づかれずに認識することができます。
この例えって、良くある「大岩の陰から飛び出してきた」的な話を裏付けるように思いませんか?
物陰でアンブッシュするタイプのフィッシュイーターは、おそらくこのことを本能的に良く理解しているのでしょう。特にイワナはこの傾向が顕著だと感じます。
いかにも渓流といった風景になると、いきなりイワナの生息域になりがちな九頭竜水系をホームにしている僕にとって、黒っぽい色は時として特効薬的にイワナに効く色として脳内に刷り込まれているんですね。
そして、EGOISTの「いわな」は、所謂イワナカのイミテーションとして塗ったわけではありません。
「やまめ」や「あゆ」と同様、黒っぽい色というキーワードを基に、良く効くことがありがちな黒っぽい色を、いわなをモチーフに仕上げた色なんです。
いわなでイワナを釣る・・・そんな洒落も含みですけれど(笑)
画像はフラッシュが効いてしまっていて明るい赤茶系に見えてしまっていますが、実物はもっと暗い感じの色に仕上がっています。
以上でレギュラーカラーにおけるカラーの薀蓄は一応終わりです。
ホントはもっとあるんですけど、文字にすると大変なことになりそうなので止めておきます(笑)
気になる方は、セミナーなどでお会いした折にでも突っ込んでくださいね~(^_-)-☆
ただ、今まで読んでいただいた
皆さんに肝に銘じて欲しいのは、決して僕の理論を鵜呑みにしないで欲しいということ。
折々で言うのですが、
「そういうこともあるんだな」程度でとりあえず念頭においていただき、ぜひ実践で検証いただいて納得していただきたいと思うのです。常に疑う意識をも一緒に持って欲しいのです。
以前観た、とあるメーカーさんが出していたビデオの中で、米代川で釣りをする著名アングラーお二人が「朝はシルバーで日中はゴールド」と仰ってました。
要すると、どちらもよりよく見せるためということでそう言われた様で、それはつまり僕とは反対の選び方ですよね。もちろん凄腕のそのお二人ですから、ご自身の経験則から導き出した結論に確信があって仰ってるはず・・・。
でも、それは即、僕の理論が間違いだという話につながるのではなく、千変万化する各地のフィールドにおいて外的要因から逆の場合が生じるということだと僕は考えます。強がりじゃなくね(笑)
どだい、自然を型にはめるなんて叶うはずないでしょう?
パターンはあっても、それはある程度ファジーなものであるはずです。
釣り人って、ちょっと自信が出てくると、魚や自然を型にはめたがりますが、その
型やパターンっていうのは常に揺れ動くものだという前提において言うべきものだと僕は確信します。
ということで、長々と書いてきたEGOIST流を、ぜひご自身のフィールドワークにおいて、「確かに大嶋の言うとおりだ!なるほど!」でもいいし「なんだよ、ウソじゃんか!」でもいいので、とにかく強く印象付けるようにして自身の理論を構築する材料としてして欲しいと願っています。
ただの丸暗記では、決して血肉といえる確固たるものは出来上がらないと思います。
さて・・・
次回からは、そもそもEGOIST流ってなんだよ、って部分に触れて書かせていただきます。
ほらほらそこのアナタ、長文だからって逃げないでくださいよ~(爆)
よろしくお願いいたします。
※ただ今のBGM 夢千秒 by 堀ちえみ