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2012年11月27日火曜日

メディア掲載情報

グッと寒さが増してきましたね。
ブログを書いている今も、音からするとどうも霰が降っているようです。


さて、ちょっと前の発売になるんですけれど、Gijie 2013 WINTER「鱒とハンドクラフト」特集号にEGOISTも少しだけ載せていただけております。






ハンドクラフトによるトラウト用品にフォーカスした企画ってGijie誌としては初の企画なんじゃないでしょうか(^^ゞ

P40に紹介記事が出ております。
紹介記事に出ている写真のLeaf-original-とLeaf-5は読者プレゼント用にサイン入りで提供させていただいたものですので、ご希望の方は振るってご応募いただければ嬉しいです。



いずれにせよ、僕のような弱小ブランドにとって、こうしたメジャー誌上でトラウトアングラーの皆さんの目に触れる機会を得られるというのは、とてもとてもありがたいことです。
これもひとえに応援してくださる取扱店さんや、当然の如くユーザーの皆さんの暖かいご声援の賜物であることは間違いありません。
本当にありがとうございます。











※ただ今のBGM   Fly by 堀ちえみ

2012年11月18日日曜日

EGOIST流とはなんぞや?-その2-


前回までは、EGOIST流なる「(釣りという遊びと向き合ううえでの)自身の志向」について書かせていただきました。
今回は、実際に渓魚をルアーで釣るという行為におけるEGOIST的流儀の本質について述べさせていただこうと思います。




まず前提として挙げられるのは、僕が志向するルアーフィッシングは、大概の場合において魚の反射行動を期待するスタイルであり、俗に言うリアクションの釣りという範疇に納まるものと言えます。
結論として、対象魚の摂餌本能を主眼において釣りを組み立てていくのは、僕の、EGOIST流の主軸ではないということです。
昔やっていた餌釣りや、フライフィッシングもかじった経験からみると、ルアーフィッシングとの本質的差異はそこにあると感じたことが経験として大きい故にそう確信しているといえます。

「リアクション」という言葉は、使われる頻度の割に、その実、一般的に何を以ってそう呼ぶのか明確な線引きがされていないように感じています。
「リアクション」を直訳すれば「反射(行動)」となりますが、単に「反射(行動)」というだけでは、何によるどんな現象を指すのか解りづらいと思うのです。
僕が考えるリアクションの釣りとは、「食性のリアクション」と「食性以外のリアクション」に大別できます


【食性のリアクション】
これについて多くを語る必要はないでしょう。
その名の通り、ルアーサイズやカラー、そして釣法までも、対象魚の摂餌物や食欲を強く意識したもので構成するものです。
代表的には、盛夏のブッシュ下の送り込みの釣りや、落下、流下する陸生昆虫をイミテートした釣りなどが挙げられます。
つまりは僕の場合、こういうことをサブ的に念頭におくことはあっても軸に据えて釣りを組み立てることは、ほぼないということになります。


【食性以外のリアクション】
僕の釣りの主軸を成すのは、好奇心や威嚇、縄張り意識など、食性以外の本能を主眼において構築するスタイルの釣りです。
細目は置いておいて、EGOIST流の考え方の根幹となるのはアトラクター要素であり、ルアーとは摂餌物のイミテーションではないと捉え、考える故であります。
だからこそ、ハイピッチ&ハイレスポンスのフラッシングアピールベイトとしてLeafを創るに至ったのです。


以上、二つのリアクション要素を踏まえたうえで食性以外のリアクション要素をメインに、TPOに合わせてフィールドでアジャストするのが今の僕のスタイルであり、それこそがとりもなおさずEGOIST流なのです。








さて、釣りネタ以外のことをくどくど書き続けても興味が薄れもするでしょうから、これで一旦EGOIST流についての語りは終わりとさせていただきます。

しかし、実はまだまだネタあります(笑)

お気づきの方も居られるでしょうけれど、どうやってルアーを動かすのかなどの部分(これはこれで話が長くなるwww)には一切触れてないので、そのあたりがどうしても気になる方は、フィールドやお店でお会いした折にでもご遠慮なくお尋ねください。
そんな機会がないという方は、直接ご連絡いただければお答えいたします。
何度も言いますが遠慮は無用です。
要るのは長話をする覚悟のみです(爆)

よろしくお願いいたします(^_-)-☆










※ただ今のBGM   さよならの物語 by 堀ちえみ

2012年11月17日土曜日

EGOIST流とはなんぞや?-その1-


前回まで「EGOIST流カラーセレクト論」と称し、僕なりのカラーセレクトに関する諸々を解説させていただきました。
それは、ユーザーさんからの質問の中で一番多いのがカラーに関するものだったからに他ならないのですが、しかしながら、EGOIST流とは、実はカラーセレクトのみを指すものに非ずという部分が、僕のフィッシングスタイルや釣りという遊びと関わる上で、もっと重要な部分であると、自身は考えています。
Leafシリーズやその他のモデルが生れた理由も、それをお伝えしてこそ理解いただけるのではないかと思うのです。



EGOIST流などといっても、さほど大仰なものではありません。それは、僕自身の私的流儀にすぎず、釣りにおける諸々の優劣を論ずるために用意したものでももちろんありません。ましてや決して他人様に強要するようなものではないのです。
ですから、EGOIST流を決して全て鵜呑みにするのではなく、「そういう考え方、やり方もある」程度に捉えてほしいと僕自身は考えているのです。
たとえ、貴兄が僕の理論に賛同してくれたとしてもです。
もちろん、ことによってはご法度的なコトもあるので、全てを疑ってかかっているとややこしくもありますけれど(^^ゞ

イベントなど、ユーザーさんを含め他の釣り人の方々と交流する際は努めて話すように心がけていることなのですが、魚を追い求めていくにあたり、上達していくためには、自身の論理的根拠ともいえる考え方の基点、つまりスタート地点ともいうべき基本的な根拠となるものをまず身につけることが重要であるというのが僕の考え方です。
ユーザーさんからカラーに関する質問が非常に多いというのは、多くのユーザーさんに、その論理的基準が確立されていないからではないかと感じます。

もちろんそれは、色々と経験していくうちに、習得スピードの個人差はあれ自然発生的に身についいくものでもあり、僕の言うEGOIST流だってなんら変ることはないものなのです。
ですから、これを読んでくださっている貴兄がもしそうであったとしても、殊更それを問題視することもありません。
そんな白紙(に近い)状態の貴兄にこそ、EGOIST流をまずは知識として取りれ、EGOIST流を信じる一方で「本当にそうなのか?」という猜疑心をも持ちながら、フィールドで「釣りという名の検証作業」を行っていってほしいのです。
そうすることで、より確かな自身の理論が客観的視点から構築されていくでしょうし、それこそが「(他人の言うことの全てを)鵜呑みにするな」と、僕が言う論拠なのです。

「釣りという名の検証作業」と言いましたが、言葉だけ見れば、釣りという行為を無機質に捉えているだけのように思われる方もいるかもしれません。
そうであるならばなぜ、斯く言う僕が釣りという行為を長年ライフワーク的に続けてこれたのでしょうか・・・。
答えは単純明快。それは「釣りが楽しいから」に他なりません。
ただし、僕自身は「魚が掛かって竿がしなること」のみを釣りの楽しみとして捉えていません。
釣果の有無や釣れた魚の大きさ、釣れた数などは、僕にとっての釣りの本質的楽しみ(釣りをする上で求める快楽の質、といえるかもしれない)には、ある意味何の関係もないんですね。
敢えて言うと、魚が釣れること自体は僕の釣りの楽しみという部分では、結構低いランキングなのです。

渓流釣りを例えに挙げると、僕自身はまず、渓流というフィールドに立つことで大方の充足感を得ているといっても良いでしょう。
釣りをしない一般の方だって、渓流と言われて思い起こす景色の中に居ることを嫌がる人は少ないと思います。
そんな素晴らしい環境の中で、自分が好きな釣りという遊びができる・・・そんな満たされ具合で充分なんです。
そりゃあ、釣れないよりは釣れた方がいいに決まっています。小さいより大きな魚がいいのも事実。
でも、釣れなきゃ満足できないかといえば、僕自身の答えは「Never」なのです。
先も言いましたけれど、魚が釣れること自体は、僕にとっては充分条件にすぎません。獲物の大小も然り。
フィールドに立てた幸福。魚と出逢えればもっと幸せな気持ちになれる・・・それだけなのです。
他人の釣った魚を羨むかというとNever。
自身が釣果に恵まれないことを嘆くかというとNever。
それよりも、同行者の魚を一緒に喜んだ方が何倍も幸せな気分になれるんです。
多くの釣り人は単独釣行を好まれる傾向にあるように感じますが、僕個人としては、一人より二人、三人で喜んだ方が幸せが倍加すると感じるほうなんです。



なぜ釣りをするのか・・・
冒頭でも出た言葉ですが、「釣り」とは、単に僕の好きな「遊び」の一つにすぎません。
今は生業という一面も持ち合わせてしまったので以前のようには楽しめない部分があるのは否定しませんが、それでも、僕にとっての「釣り」という「遊び」は、「楽しい」という気持ちを、時として第三者と共有し、味わうために不可欠なツールの筆頭なのです。





・・・続く










※ただ今のBGM   遥か1000マイルの彼方 by 堀ちえみ

2012年11月13日火曜日

【EGOIST流カラーセレクト論】 カラーセレクトに関する考察 -その3- 「金、パール、黒ベースレギュラーカラー」


今回は、残りのレギュラーカラー4色について解説したいと思います。


●金/GOLDベース
【緑金/OB】
水中が暗い時、また、諸事情により強すぎない反射を求める時、次に挙げる赤金/PBとともに欠かせないカラーだと思います。
金/GOLDベースがあってこそ銀/SILVERベースの存在意義も増し、且つ逆もまた真なりというのが根幹にあるのがEGOIST流の本意。
全体的に暗い色の印象の緑金/OBですが、ズバリ、そのイメージで使い分けていただければ良いと思います。
光量が多く透明度が高い状況で「弱め」に使うにはもってこいの色ですが、意外に視認性が良いのがグリーンバックの特徴だと思っています。







【赤金/PB】
僕の考え方として、赤≒黒というのがあります。
よって、この色は緑金/OBに比べコントラストが出やすい、つまり、明滅度が高めのカラーと言えるでしょう。
トータル的には弱めの意識における使用を前提としていますが、UV反射が強めなパールベリーと相まって、緑金/OBよりは少々強めの色であると捉えるのがEGOIST流。
明滅度が比較的高いので、光量が多い時間帯であっても、濁りが入った状況下ではいちばん目立つ色の一つだと考えます。








なお、EGOISTレギュラーカラーとしての金/GOLDベースカラーの二色は、パールベリー、またはオレンジベリーのどちらが好きかでも選べるように設定したものであります。
まぁ、赤金のオレベリが欲しいと言われても困りますが・・・(^^ゞ


それから、僕は確かに銀ベースの使用頻度が非常に高いのですが、これは僕がメインフィールドにしている九頭龍川水系の底石の色が赤黒いせいだと感じています。
僕はルアーの位置確認をルアーカラーではなく視認性の良いカラーラインやルアーの放つフラッシング光を視界の中に漠然と置くことで認識しているので、それ故に底石の色と対比の強い白っぽい光を放つ銀ベースの使用頻度が高くなっているというわけです。
だから、底石が白っぽくて明るい川だと金ベースが見やすいフラッシングになるんですね。

ただし、魚に対するフラッシング光の質は、川底の色に大きく影響を受けることはないと考えており、やはりシルバーのほうがゴールドよりも強いアピールになっていると考えています
しかしそれも、水色や濁りの色によって左右されることは間違いないので、何でもかんでも絶対こうだと決めつけるのは危険であり、自然を相手にするのだから、そこはファジー且つ柔軟に捉えるように気をつけるべきだと思います。




●パール/PEARLベース
【若しゃけ】
一見すると、青銀/PBと同類のカラーに見えるのが若しゃけ。
人によっちゃ「なんで売れないブルーバック系が二色もラインナップされてるの?」という疑問を持たれる場合も(苦笑)
「ブルーバックは(売れにくいから)どちらか一色で良い」的なお言葉が聞こえることもありました・・・(^^ゞ
しかしこの色こそ、EGOIST流において曇天の日には絶対無くてはならないカラーなのです。

若しゃけは、実は全体にパール顔料を吹いてあります。
若しゃけが一般的な「パール○○○」とかっていう仕上げ方の色じゃなく、ホワイト等と混ぜていない純粋なパール顔料のみをアルミの上から吹いているため、パッと見で青銀/PBとの区別がつきにくいことが、青銀/PBと若しゃけが同系カラーと混同される所以のようですね(^^ゞ

バックに吹いたブルーが波長の短い色であるということは青銀/PBの解説時に述べた通り。
よって、光量が少ないけれど紫外線は降り注いでいる・・・そんな曇り空の日に最強のUV反射を期待できる色としてチョイスするのがEGOIST流となるわけです。
直接的反射光、つまりフラッシングで訴えかけるのではなく、紫外線反射で目立たせたいというなら、この色がアピール度最強だと僕は経験則から考えています。

しかし、名前が若しゃけだからといって、鮭稚魚をイミテートして塗った色というわけじゃありません。
もちろんマッチ・ザ・ベイト的意識で使っていただいてもなんら問題はないのですが、「あゆ」等ベイトフィッシュカラーの解説でも述べた通り、必要なカラーを或るモチーフで仕上げたというのがイチバン的を得ているのであります(^^ゞ




●黒/BLACKベース

【いわな】
当たり前のことを言うようですが、「黒っぽい色が効く時」に選んでほしいのがこのカラーです。
いつでもどこでも、ということはないと思いますが、時として劇的に効くことがある黒系カラーは、BOXから外せない色なのです。

注)実際の「いわな」はもっと黒っぽい暗い色です

では、どのような時に効果的なのか・・・

黒っぽい色が効く時といっても、それって人それぞれ感じ方の程度差が大きいので「ズバリこんな時」と明言するのは難しいのですが、僕の経験上から言えば、空は明るいのに谷が暗いシチュエーションや、魚が障害物の陰にの中から外を窺っているような場合などが挙げられます。
要は、明るい環境下に在る影(陰)が狙いどころになる時といった感じでしょうか。
感覚的な話なのですが、単なる日陰ということではなく、ある程度長時間にわたり日が当たっていないという条件付きの日陰といったら理解していただけるでしょうか・・・。

夜道に外灯が一つあるのを想像してみてください。
その外灯の灯りの下から暗闇を覗いても何も見えませんが、暗がりから外灯の光の中にあるものは、こちらの存在を感づかれずに認識することができます。
この例えって、良くある「大岩の陰から飛び出してきた」的な話を裏付けるように思いませんか?

物陰でアンブッシュするタイプのフィッシュイーターは、おそらくこのことを本能的に良く理解しているのでしょう。特にイワナはこの傾向が顕著だと感じます。
いかにも渓流といった風景になると、いきなりイワナの生息域になりがちな九頭竜水系をホームにしている僕にとって、黒っぽい色は時として特効薬的にイワナに効く色として脳内に刷り込まれているんですね。

そして、EGOISTの「いわな」は、所謂イワナカのイミテーションとして塗ったわけではありません。
「やまめ」や「あゆ」と同様、黒っぽい色というキーワードを基に、良く効くことがありがちな黒っぽい色を、いわなをモチーフに仕上げた色なんです。
いわなでイワナを釣る・・・そんな洒落も含みですけれど(笑)
画像はフラッシュが効いてしまっていて明るい赤茶系に見えてしまっていますが、実物はもっと暗い感じの色に仕上がっています。





以上でレギュラーカラーにおけるカラーの薀蓄は一応終わりです。
ホントはもっとあるんですけど、文字にすると大変なことになりそうなので止めておきます(笑)
気になる方は、セミナーなどでお会いした折にでも突っ込んでくださいね~(^_-)-☆
ただ、今まで読んでいただいた皆さんに肝に銘じて欲しいのは、決して僕の理論を鵜呑みにしないで欲しいということ。
折々で言うのですが、「そういうこともあるんだな」程度でとりあえず念頭においていただき、ぜひ実践で検証いただいて納得していただきたいと思うのです。常に疑う意識をも一緒に持って欲しいのです

以前観た、とあるメーカーさんが出していたビデオの中で、米代川で釣りをする著名アングラーお二人が「朝はシルバーで日中はゴールド」と仰ってました。
要すると、どちらもよりよく見せるためということでそう言われた様で、それはつまり僕とは反対の選び方ですよね。もちろん凄腕のそのお二人ですから、ご自身の経験則から導き出した結論に確信があって仰ってるはず・・・。
でも、それは即、僕の理論が間違いだという話につながるのではなく、千変万化する各地のフィールドにおいて外的要因から逆の場合が生じるということだと僕は考えます。強がりじゃなくね(笑)
どだい、自然を型にはめるなんて叶うはずないでしょう?
パターンはあっても、それはある程度ファジーなものであるはずです。
釣り人って、ちょっと自信が出てくると、魚や自然を型にはめたがりますが、その型やパターンっていうのは常に揺れ動くものだという前提において言うべきものだと僕は確信します

ということで、長々と書いてきたEGOIST流を、ぜひご自身のフィールドワークにおいて、「確かに大嶋の言うとおりだ!なるほど!」でもいいし「なんだよ、ウソじゃんか!」でもいいので、とにかく強く印象付けるようにして自身の理論を構築する材料としてして欲しいと願っています。
ただの丸暗記では、決して血肉といえる確固たるものは出来上がらないと思います



さて・・・
次回からは、そもそもEGOIST流ってなんだよ、って部分に触れて書かせていただきます。
ほらほらそこのアナタ、長文だからって逃げないでくださいよ~(爆)
よろしくお願いいたします。









※ただ今のBGM   夢千秒 by 堀ちえみ

2012年11月12日月曜日

【EGOIST流カラーセレクト論】 カラーセレクトに関する考察 -その2- 「銀/SILVERベースレギュラーカラー」


今回からは、前回の「ベースカラーの考察」について、EGOISTルアーのレギュラーカラーをカラーごとに解説させていただきます。

まずは銀/SILVERベースから。



●銀/SILVERベース


【青銀/PB】


光量のある条件下では最強のフラッシングとUV反射効果で最も高いアピール力を持つと捉えているのが青銀/PB(PB=パールベリーの意)と考えるのがEGOIST流。
バックの青にしてもパールベリーにしても短い波長の色であり、UV反射と相まって、アルミのフラッシングとともに最大級のアピール力があるというのが根拠です。
よって、ハイピッチのヒラウチによるハイアピールというLeafのコンセプトにおいて、絶対に外せないカラーであり、ある意味Leafのコンセプトカラーともいえるのが青銀/PBです。

ただ、このテの色のルアーが売れない色であるのはルアー業界既知の常識(苦笑)。
所謂「釣れる色と売れる色は必ずしも同じではない」という巷説です。
国内で売れないというのは、おそらく国内の恒常的にハイプレッシャーなフィールドでは、魚に対してのファーストインパクトが強すぎ、釣れにくいという現象につながってしまうことが一因であると考えますが、売れない色であろうとも効果的な色であることは間違いありません。
余談ですが、国内はもとより、少ないながらも海外でいろいろと釣りをした僕の経験から、トラウトに限らず様々な魚種、世界の様々な地域で最も平均的に効果が期待できる色はブルーバックシルバーではないかと考えるのは、正直なところ言い過ぎではないように感じるというのは、僕の偽らざる思いです。




【黒銀/OB】 
















青銀/PBと並んで、僕の釣りの基本構成を成すカラーです。
シルバーベースのフラッシングを生かしながら、バックのブラックによる明滅効果を期待できるのがこのカラーの特徴であると考えるのがEGOIST流。
青銀とどう違うのか・・・
言わば、青銀が健全に消えることなく明滅する電球とすれば、黒銀は完全に消える瞬間のある点滅する電球とでも例えれば良いでしょうか。

視界の隅に在る電球を想像してみてください。
点いた瞬間、暫くは電球の存在が気になるでしょうけれど、点きっぱなしだと、いつしか電球の存在を忘れてしまうと思います。
しかし、その電球が点滅、もしくは明滅しはじめた瞬間、また電球の存在を気にしだすとは思いませんか?
それが、魚に能動的に働きかけてアングラー主導のゲーム展開を趣旨とする僕がフラッシングの強弱やピッチにこだわる理由です。
明滅なのか点滅なのか・・・その微差がもつ意味は、決して無視できるほど小さくないと考えます。



【あゆ
















レギュラーカラーの中でTop3に入る売上を誇るカラー(笑)
皆さんやはり、鮎というのはベイトフィッシュという観点において相当意識されていると見受けられます。
しかしEGOISTのあゆは、実はベイトフィッシュを意識して塗ったものではありません。
トラウトを狙ううえで重要になりがちな色をあゆというモチーフで仕上げた色に過ぎないと言っても過言ではないのです。
もちろん、鮎というベイトを意識したナチュラルめなカラーとしてセレクトすることもありますが、どちらかというと反射や色合いの具合で他の色と使い分けるカラーであるという位置づけのカラーであると捉えるのがEGOIST流なのです。
「あゆ」カラーは、実は、背中から肩に吹いたグリーンの塗料にUV反射効果を期待して蛍光剤を配合したグリーンを吹いてあるんです。
つまり、シルバーベースのフラッシングとパールベリーのUV反射に加え、バックの蛍光剤入り塗料にもUV反射を期待した、ベイトフィッシュの模倣というよりルアーとしての高い存在感を期待して塗ったカラーと言えるのです。

余談ですが、EGOISTとしては「鮎」でもなく「アユ」でもない、「あゆ」という平仮名表記に拘ります。
理由は・・・雰囲気です(爆)
古の世では女文字とされた「ひらがな」に、溪魚と関わる道具としての侘び寂を感じるのです(^^ゞ



【やまめ】

















「やまめ」も「あゆ」と並んでTop3に入る売れ筋カラーです。
そろそろお気づきの方もおられましょうが、この「やまめ」カラーもまた、ヤマメという溪魚を意識した色ではないんですよね。
体側に吹いた黒いパーマークでフラッシングが抑えられているので、シルバーベースとしては若干弱めのアピール力を持つと思っていただいて結構かと思います。
敢えて言えば、「あゆ」よりも少々弱めの色という位置づけでしょうか。
例えば、アピールを少々抑え気味にしたナチュラルめなフラッシングを意識したいけれど、アクションの強さは落とさないで使いたいなんて思った時にセレクトするといった感じでしょうか。

因みに、「やまめ」も平仮名なのは、「あゆ」と同じ理由なのは言わずもがなです。





・・・続く










※ただ今のBGM   助手席からI Love You by 堀ちえみ

2012年11月11日日曜日

【EGOIST流カラーセレクト論】 カラーセレクトに関する考察 -その1- 「ベースカラー」


ルアーのカラー選びって人それぞれ。
自身に確固たる基準があるアングラーも多いと思います。
でも、特に初心者など、いつ、どんなカラーを選べばよいのか、そんな疑問を持つ方も多いのも間違いないでしょう。
現に、イベントやセミナーなどで受ける質問で一番多いのがカラーセレクトに関するもの。
釣りネタもないこの時期ですし、僕なりのカラーセレクト論などつらつらと書いてみようか・・・などと思ったわけです。
実際は、ずいぶん昔に自身のブログでも書いたことなんですが、若干の加筆修正を加えて、あらためて書かせていただきたいと思います。

何度かに分けて書かせていただきますけれど、貴兄がお暇な時にでも、ぜひご参考いただければ幸いです。



【まずベースカラーを考える】

僕がカラーを選ぶ際、考え方の原則となるものがあります。
それは、最初に金、銀、パール、そして黒(っぽいもの、も含む)という、カラー全体を構成する基本となるベースカラーを決めるということです。
バックやベリーのカラーが持つ意味よりも、これらのベースカラーがほぼそのカラーのアピール度を(高い低いにかかわらず)支配すると考えています。

余談ですが、その考え方を基本として、僕なりにあらゆる状況下で必要となるであろうと考えられるものを纏めたのが、EGOISTルアーにおける「レギュラーカラー」とよばれるラインナップなんです。
レギュラーなカラーラインナップを設定しているハンドメブランドって珍しいと思いますが、これらを揃えておけばほとんどの状況をカバーできると考えているカラーを設定するというのは、こと「釣る」ということに特化して考えれば、僕は自然なことだと考えています。



【ベースカラーの考察】

●銀/SILVERベース
水中が明るい時にセレクトするベースカラーです。
EGOISTのスタンダードカラーラインナップでいうと、青銀/PB、黒銀/OB、あゆ、やまめの四色がそれにあたります。
一撃必殺的な最強のフラッシングで高いアピール性をもっているのが銀/SILVERベースカラーと捉えるのがEGOIST流。
季節や環境にもよりますが、僕的には、だいたい午前8時ころから午後5時ころの、水中に充分に光が差し込む時間帯(つまりは、光の入射角が垂直に近い時間帯)は銀/SILVERベースを多用します。
つまり、特別な理由がなければ一日のほとんどを銀/SILVERベースのカラーで通すということになります。


●金/GOLDベース
朝夕のマヅメ時や濁りが入った時など、何らかの理由で水中が暗い時には、真っ先に選ぶベースカラーです。
EGOISTのスタンダードカラーラインナップでいうと、赤金/PB、緑金/OBの二色がそれにあたります。
銀/SILVERベースに比して、金/GOLDベースのフラッシングは、にじむような光の拡散が特徴と捉えるのがEGOIST流。
ただし、自然の急激な変化や先行者の気配など、何らかのプレッシャーがあると感じた場面においてフラッシングによるアピール度を和らげたいと思った時には、本来なら銀/SILVERベースを選ぶべきシチュエーションであっても金/GOLDベースのカラーから入るというのもEGOIST流です。
また、金/GOLDベースを選ぶべきタイミングは光量が少ないシチュエーションであるというEGOIST理論から考えれば、銀/SILVERベースが本来の強いフラッシングによるアピール力を発揮できないタイミングであるとも換言できます。
つまり、水中が暗い時、よりアピールを抑えたいのであれば、あえて銀/SILVERを選ぶという逆説的発想もEGOIST流なのです。


●パール/PEARLベース
明るくても光量が少ない時、つまり、曇りや雨の日に最初に選ぶベースカラーです。
EGOISTのスタンダードカラーラインナップでいうと唯一、若しゃけがそれにあたります。
銀/SILVERベースや金/GOLDベースと比べてフラッシングという点ではさほど期待できませんが、実は魚たちには見えるらしい紫外線反射を一番期待できるという学術的根拠に裏付けられたベースカラーであると考えるのがEGOIST流。
事実、パールベースカラーには、僕自身も曇りの日に何度も助けられた経験があり、元来、人の目に見えないUV光線の眉唾的話も得心できるものなのです。
たとえば、シーバスなど夜釣りが盛んな魚種が良く釣れるカラーとして、パールやホワイトベースが挙げられるのは偶然じゃないでしょう。


●黒、ガンメタ/BLACKベース
黒ベースに関しては、先述の3つのベースカラーとは若干意味合いが違い、絶対ないといけないというものではないけれど、時として劇的に効く場合があるので持っているといいよ、といったニュアンスで捉えていただければいいかと思います。
例えば、曇天時などパールベースを選ぶべきタイミング時であったり、また、日中の明るい時間帯に行うシェード狙いや水中が暗い時間帯など、時として必要となる場合があると感じているのが黒なんです。




とりあえず今回は基本となるベースカラーの選択方法について書かせていただきました。
皆さんいかがでしょうか?

僕の渓魚達に対峙する際の考え方の基本はいたってシンプルです。
それは、「目立たせたいか否か」に尽きます。
相手は本能のみで生きる自然界の住人達であり、あれこれ理屈を考えから行動していたのでは死に直結する可能性が高まるだけかもしれない環境で生きる者たちといえる存在なのです。
ベースカラー論にしても、複雑な理論に聞こえる能書きかもしれませんが、要は目立つか否かの判断に因るのです。



~続く・・・









※ただ今のBGM   シンシア by 堀ちえみ

2012年11月4日日曜日

試行錯誤

FacebookやTwitterでは情報をお漏らし程度に出させていただいていた2013シーズン発売予定の55mmスリムミノーの最終チェックに行ってきました。
動きという面ではもうずいぶん前からイメージが固まってきており、ほぼその通りのものは出来上がっていたので、今回は、量産性を考慮した工程で作った物の、テストというより使用感のチェックが主旨でした。




ウェイトのサイズや搭載位置の違うものを10タイプ仮組みし、最初のスイムチェックで3型を除外。
コーティングを進める途中のチェックで更に3型を除外し、今回、量産を踏まえた工程を踏んで作った残りの4タイプを流れに持ち込んで、使用感という観点からの最終検証作業を行いました。
簡単に言いましたが、実際は足掛け3年近くこの作業を繰り返し、何度も作っては捨ての試行錯誤を経て、ようやく「コレ」という結論に達することができました。
何気に一発で出来上がったLeafとは全く逆の展開です(苦笑)

もちろん、ロッドやラインも硬軟取り混ぜ用意して臨みました。
基本的というか、結果としては「僕自身がどう感じるか」というところで結論を出すのですが、それでも、ユーザーさんそれぞれにロッドやラインの好み、その組み合わせは多様であり、当然手加減も千差万別となれば、やはり知ってだけはおきたいというのがありますからね。






これで仕様は固まりました。
来シーズンは使っていただけると思います。

基本的にウォブリングが強い設計で、ダートして流れるんじゃなくて、左右に首を振ったら止まる、所謂「ドッグ・ウォーク」と呼ばれるアクションを強く意識して創りました。

名称はまだ未定ですが、主にクロスからダウンでの使用に注視し、そして、ジャークに近いトゥイッチ入力を許容することも想定した、Leafシリーズとは異なるアプローチの渓流用トゥイッチベイトです。
因みに、自重はLeaf程度か、僅かに軽いかなって感じになると思いますが、EGOISTユーザーなら当然お解かりの如く、決してスペックだけでは計れないキャスティング感も・・・おたのしみに(^_-)-☆










※ただ今のBGM   Fly by 堀ちえみ